2024.04.22
近視の進行を抑制する低濃度アトロピン点眼薬
皆さんこんにちは 千種区 本山の眼科 中村眼科クリニックです
余談
もうすぐGWですね。 早い方は今週末から連休がスタートする方もいるのではないでしょうか。 花粉のピークも過ぎ、徐々に外出先でも過ごしやすくなりました。お出かけや旅行の計画を立てている方もたくさんいらっしゃると思います。 お子様たちは新しい学校生活に慣れてきましたか?
なぜ近視が進む?
新学期が始まり環境が大きく変わりましたね。特に新入生の皆さんは目にする世界が新しいものばかりだと思います。見るものの変化に伴い、心配になるのが近視の進行です。
子どもの近視のほとんどは眼球が楕円形に伸び(眼軸長が伸びる)、ピントの合う位置がずれることで生じます。遺伝的に眼軸長が伸びることもありますが、近くを見ることが習慣化してしまうとさらに近視が進行しやすくなります。
一度伸びてしまった眼軸長は戻ることはありません。
近視が進行すると見にくくなることはもちろん、将来的に緑内障や黄斑変性症、網膜剥離など様々な疾患に発展する可能性が高くなります。
アトロピン点眼薬とは?
近視の進行を抑制するには眼軸長の伸びを抑えることが重要となります。
アトロピン点眼薬は眼軸長の伸びを抑制するという点で有意義な効果が得られる治療薬です。 しかしながら従来のアトロピン点眼薬は日中の光が眩しく感じたり、手元がぼやけたりとデメリットも多くありました。
低濃度アトロピン点眼薬
当クリニックでは今月から自由診療で低濃度アトロピン点眼薬の処方を開始しました。
低濃度アトロピン点眼薬は従来のものに比べ、不快な副作用を回避できるよう開発されました。 低濃度でありながら近視の進行を平均50〜60%軽減させるという研究報告があります。(Singapore National Eye Centreの臨床試験による)
副作用を最小限にしながら毎日就寝前に1滴点眼を行い、近視の進行を抑制することができます。 当クリニックで積極的におこなっている視力回復トレーニングと併用することで更なる効果が期待できます。
まとめ
スマホやゲーム機が日常生活と切り離せなくなっている今、生活習慣の改善だけでは近視の進行予防に限界があります。お子様の将来の「見える」を守るため、点眼による進行予防を選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか?
※現在、ミドリンMやミオピンを処方されている方は低濃度アトロピンとの併用はできません。医師と相談し低濃度アトロピンへ変更することは可能です。詳しくは診察時にお尋ねください。
最後に
当クリニックではお子様の近視治療のほかに、 スマホ・パソコンの使用による大人の眼精疲労治療や緑内障の早期発見・早期治療などにも努めておりますので、何か気になることがございましたら、お気軽にご来院ください。お待ち致しております。
以上 千種区 本山の眼科 中村眼科クリニック でした