切らない霰粒腫治療(IPL光治療)

切らない霰粒腫治療(IPL光治療)
特殊な光を当てることで霰粒腫を切らずに改善させます!
日本でもまだ比較的新しい治療法であり、自費診療となっています。
霰粒腫はまつげの内側にある、目の乾燥を防ぐために脂を分泌する「マイボーム腺」の内部や出口が詰まることにより、目が腫れあがる病気です。局所的なマイボーム腺機能不全も併発していることがあり、将来的にドライアイを引き起こす懸念もあります。
IPLをまぶたに照射することで、マイボーム腺周囲の血流の改善やマイボーム腺に詰まった油脂を溶かし詰まりの解消に効果があります。日本眼科学会より2023年2月に発表されたマイボーム腺機能不全診療ガイドラインでもMGD患者へのIPL治療は自覚症状、マイボーム腺開口部・周囲所見、角結膜上皮障害の改善に有効であり、エビデンス的には強く推奨されると記載されています。IPL治療は、「霰粒腫」についての効果も論文*で報告されており、切らずに治すことが期待でき、再発頻度も下げることのできる新しい治療方法として注目されています。傷跡が気になる方、切開に不安がある方に対しても受けて頂ける治療になります。
*J. Clin. Med.2022, 11(18), 5338
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原因
霰粒腫はまぶたの中にあるマイボーム腺が一部分だけつまって肉芽腫というしこりができる病気です。部分的なマイボーム腺機能不全(MGD)の状態とも言われています。マイボーム腺機能不全(MGD)はまぶた全体の涙のあぶらを分泌する腺組織の機能や形態が低下した状態でドライアイの原因に大きく関係しています。
霰粒腫は一般的に点眼と切開する治療が行われていますが、霰粒腫をくり返す方はマイボーム腺へのダメージが大きくなり、将来的には破壊してしまってドライアイにつながるともいわれています。

日本眼科学会より引用(https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=5)
治療方法
当院では、霰粒腫に対する切らない治療法として最近注目されているIPL(Intense Pulsed Light、集中制御パルス光療法)治療を導入しています。特殊な光を当てることでマイボーム腺を活性化させることで、マイボーム腺の詰まりを解消し、またまつ毛や毛穴のダニを死滅させることで切開など外科的治療を行わずに霰粒腫の改善が期待できます。当院ではMGDに対する治療適応を日本国内で*唯一、厚生労働省より**承認を受けた機器であるLUMENIS社の医療機器「OptiLight M22 IPLモデル」を使用してIPL療法を行います
※本治療は自費診療となるため、保険診療は適応されません。
※保険適用外(自費診療)となるため保険診療とは同日に行えません。
*2022年12月現在 **マイボーム腺の圧出を実施することを前提とする
医療機器承認番号:30400BZX00293000 一般的名称 :キセノン光線治療器/眼瞼加温加圧装置
IPL治療のやり方について
- IPL治療の適応については事前の検査診察の上医師が判断いたします。
- 治療前にメイクを落としていただきます。レーザーを照射する部位に産毛などがある場合は、事前に脱毛をおすすめすることがありますのでご了承ください。
- 目を保護する専用アイマスクを装着していただいた後、ジェルを塗布します。
- 目の下を中心に、耳前から鼻先までの範囲にレーザーを照射します。
- ジェルを拭き取り終了です。
- 診察室でIPL後の目や肌の状態を確認します。マイボーム腺の詰まりを圧出する処置を行います。
4週間の間隔で、計4回を1クールとして治療を行います。
※治療効果や治療間隔、治療回数には個人差があります
IPL治療の注意点・副作用について
マイボーム腺機能不全診療ガイドラインではIPL治療に伴う副作用の頻度は低く、症状も改善される可能性が高く、副作用の程度は軽いと結論づけられています。ごく稀ではありますが、以下のようなことが起きることがあります。
- 敏感肌の方は、一時的にヒリヒリする違和感を感じる場合があります。
- 施術後、皮膚に赤みを帯びる場合がありますが、おおむね2〜3時間で元に戻ります。
- レーザーを照射した部位は、強くこすらず、約2週間は日焼け止めを塗るなど、日焼け対策をしてください。
- メイク、洗顔、入浴など、日常生活上での制限は特にありません。
適応条件
下記の事項に該当する方はIPLを受けて頂くことができません。
IPLにより、持病の悪化や施術した皮膚の状態が悪くなる可能性があります。
※ヘルペス・帯状疱疹がある方は治癒してから施術します。
- 妊娠および授乳中の方
- 光過敏症、光過敏性を高める薬剤を使用されている方
- てんかん発作を起こしたことがある方
- 施術部位に日焼けをしている方
- ケロイド体質の方
- AIDSやHIVを含む免疫抑制疾患や血液凝固に異常のある方
- 前がん病変の方、皮膚がんの方またはこれまでに皮膚がんにかかったことのある方
- 糖尿病治療中(内服・インスリン治療)の方
- 施術部位にアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患やヘルペス(顔の帯状疱疹を含む)がある方
IPL治療の費用
本治療は自費診療となるため、保険診療は適応されません。
4週毎に計4回を1クールとして治療を行います。症状によりますが、4週ごとに4回以上実施すると高い効果が期待できると報告されています。
また、当院ではIPLを肌に照射することで、シミやそばかす、くすみ、ニキビ・ニキビ跡、赤ら顔の肌悩みを総合的にケアできるフォトフェイシャル療法も行っております。ドライアイや霰粒腫の治療と同時に行うことが出来ます。
MGD |
単回 |
¥ 8,000円(税込み) |
4週毎4回(1クール) |
¥ 30,000円(税込み) |
|
MGD + 霰粒腫 |
4週毎4回(1クール) |
¥ 35,500円 (税込み) |
※IPL治療は保険適用外(自費診療)となるため全額自己負担となります。健康保険証は使用できませんのでご理解のほどよろしくお願いいたします。目がかゆいなどの保険診療が必要な場合は別日に予約・診察が必要となります。
※何らかの有害事象等により、医師の判断で治療の中断が必要とされた場合は、未施行の治療回数分の金額を返金いたします。(ただし、中断後の有害事象に関する加療も自費診療となります。再診料1回2000円頂きます。)
※使用者側のご都合で治療を中断する場合、返金はできませんのでご留意ください。
切らない霰粒腫治療(IPL光治療)の
よくあるご質問
IPL治療は、美容系の施術ではないのですか?
ドライアイ治療とは異なる波長のIPLを用いて、シミ、しわ、肌のきめの改善を目指す施術が美容皮膚科等で行われています。
当院でも、“OptiLIGHT M22”のカートリッジに交換することで、フォトフェイシャル施術をご提供することが可能です。ご希望の患者様は、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。
化粧はしても大丈夫ですか?
治療前に化粧・日焼け止めをしている場合は完全に落としていただきます。レーザー治療とは異なり、ダウンタイム(安静時間)無しで行うことが出来るため、治療終了後はご愛用の化粧品をしていただくことが可能です。
痛みはありますか?
痛みは患者様の敏感度や日焼けの度合い等によって異なりますが、輪ゴムに弾かれた程度の痛みや刺激を感じる場合が多いです。
副作用はありますか?
施術中には、ゴムでパチンとはじかれた感じがします。
IPL治療後、短時間ですが皮膚が赤みを帯びやすくなります。2~3時間で落ち着くことが多いです。
皮膚の弱い方などは、稀に浅達性熱傷による赤みやヒリヒリ感がでる場合があります。
極稀に、照射した部位に赤みやかさぶた、もしくは水ぶくれなどができ治るまでに5~10日かかる場合があります。
治療間隔や期間はどれぐらいですか?
治療間隔は、3~4週間おきに、4回以上実施すると効果が高いというエビデンスがあり、当院でもそれに基づき推奨しております。治療効果には個人差があり、8回目で劇的に効果が出た患者様もいらっしゃいます。
IPL治療は保険適応ですか?
本治療は自費診療となるため、保険診療は適応されません。本治療に関わる治療・検査などの一連の診療行為は、全て自費診療(患者様の自己負担)となります。