2025.08.12 近視抑制視力低下視力回復トレーニング
子どもの“弱視“について知ろう!〜早期発見・早期治療が大切です👀〜


皆さまこんにちは 千種区 本山の眼科 中村眼科クリニックです
目次
子どもの“弱視“について知ろう!〜早期発見・早期治療が大切です👀〜
皆さま“弱視”についてご存知でしょうか。弱視は未就学のお子さまにみられる症状です。
お子さまの成長の中でとても大切なことなので最後まで読んでくださると幸いです。
人間の視力の発達について知ろう👨🏻⚕️
弱視のお話をさせていただく前に人間の視力の発達について知っておきましょう。視力も他の身体の機能と同じように段々と見えるようになっていくものです。
誰でも生まれた頃は明るさがわかる程度です。その後、ものの形が分かるようになり動くものが目で追えるようになっていきます。
3歳くらいから大人と同じように1.0見えるように視力が発達していきます。
6歳頃にはほとんどのお子さまが1.0見える視力を獲得していると言えます。
この経過を踏まえて弱視について知っていただきたいと思います。
弱視とは?
“弱視”とはメガネやコンタクトレンズで矯正をしても視力が出ない状態のことを言います。
(例)・裸眼視力:0.3 → 矯正視力:1.0 これは視力が出ているので弱視とは言えません。
・裸眼視力:0.3 → 矯正視力:0.5 これは矯正しても視力があまり出ていないので弱視と言えます。
弱視の種類と治療法は?
弱視にも種類があります。
屈折異常弱視
遠視・近視・乱視による屈折異常が強い場合にみられます。
特に遠視による弱視が多く、遠視の場合は遠くも近くも見えづらい状態です。
【治療法】正しい屈折度に合った眼鏡を日常的に常時装着します。
不同視弱視
遠視・近視・乱視による屈折異常が片目だけにみられる状態です。
この場合は発達している片目で補ってものを見ているので私生活では問題なく過ごせていることがほとんどです。そのため発見しにくいと言えます。
【治療法】異常がみられる片目に対し正しい屈折度に合った度数を入れた眼鏡を日常的に常時装着します。
眼鏡を使用しても発達がみられなかった場合は正常に発達している片目を遮蔽し、異常のみられる片目を使って生活する方法(健眼遮閉)もあります。
斜視弱視
斜視がある目の視線が外れているため正常な発達が難しく弱視になり得ます。
こちらも片眼性の弱視になりやすいため不同視弱視と合併しやすいと言えます。
【治療法】斜視の視線を正しく安定させるための健眼遮閉を行います。
さらにアトロピン点眼や斜視手術による治療で回復に進める場合もあります。また、専門病院での検査・治療が必要となる場合もございます。
形態覚遮断弱視
先天性の白内障や眼瞼下垂などにより視力の成長を遮断された場合にみられます。
【治療法】原因を取り除く治療を行います。
白内障の場合は水晶体を摘出する手術を行うこともあります。また、こちらも専門病院での検査・治療が必要となる場合もございます。
どうやって見つけるの?
上記でご紹介したように弱視の中には私生活でも分かりづらいこともあります。
そこで重要なのは『3歳児健診を受けること』です。多くの弱視はこの3歳児健診で発見されます。
時間やお子さまのコンディションなど日々の育児の中で健診に行くことは大変かと思いますが、眼に関わらず自分の子どもの身体の機能がしっかりと発達しているのかを知る上ではとても大切なことです。
また、私生活の中でも眼に関して以下のような仕草がみられた場合は眼科への受診をお勧めします。
・目を細めて見ている
・顔を傾けて見ている
・片目をつぶって見ている
・片目だけ視線が外側や内側を見ている
・遠くだけでなく近くも見てにくそうにしている など…
眼科ではどんな検査をするの?
当院ではサイプレジン点眼を用いて目の筋肉を矯正的に緩め本来の屈折状態をみる検査を行います。流れは以下のようなっています。
①点眼前の遠視・近視・乱視の状態をみるための視力検査などを行います。
②1回目の点眼→10分後→2回目の点眼→10分後→3回目の点眼→30分
③点眼後の遠視・近視・乱視の状態をみるための視力検査などを行います。
④医師の診察
⑤(必要と判断されれば)眼鏡処方箋の発行
検査後はサイプレジン点眼薬の副作用で検査日は視界のぼやけや光に過敏になります。個人差や検査を行った時間にもよりますが、翌日まで副作用が出る場合もあります。
検査自体も約1時間30分から2時間かかることもありますので、検査をする場合は時間に余裕を持ってご予約いただきたいと思います。(※当院では予約制です)
弱視に対するこんな補助もあります📄
9歳未満で医師が弱視に対する眼鏡の常時使用が必要と判断し、条件を満たしている場合は国から眼鏡作成の補助が出ます。
処方箋と一緒にお渡しする「弱視等治療用眼鏡等作成指示書」を眼鏡屋さんに持って行くと作成することができます。
まとめ
弱視は早期発見・早期治療すれば治すことができます。逆にそのままにしておくと弱視のまま大人になり最悪の場合、失明してしまうこともあります。
上記でもお話ししたように3歳児健診はとても大切です。必ず受けていただきたいと強く思います。
健診に行くのが大変という方は眼科に受診することもひとつの手段だと思いますので、近隣の眼科へご受診ください。
当院ではお子さまの視力低下の回復や緑内障の早期発見・早期治療などにも努めております。目に関することで気になることがございましたら、お気軽にお越しください。
以上 千種区 本山の眼科 中村眼科クリニックでした
この記事を監修した医師
中村眼科クリニック院長 眼科専門医
中村 富雄
東京医科大学卒。名古屋大学環境医学研究所助手、犬山中央病院眼科医長を経て、中村眼科クリニックを開院。
目のことで心配なことがありましたらお気軽にご相談ください。
ご不安を和らげる笑顔と誠意をもってお応えします。