2020.11.30
このような眼の病気があるそうです~眼球使用困難症候群~
みなさんこんにちは 千種区 本山の眼科 中村眼科クリニックです
余談
明日から12月に入り、今年も残り1ケ月となりましたね。1年を振り返ると、今年はさまざまなことがあり、振り返るとあっという間であったなと感じます。2020年はみなさんにとってどのような1年になりましたか。年末に向けての大掃除やお正月の準備も少しずつ進めなければなりません。
眼球使用困難症
さて、本日は新聞で紹介されていたある眼の病気についてご紹介していきたいと思います。今回ご紹介する病気は「眼球使用困難症候群」です。みなさまもあまり耳にしたことがない病気だと思います。私も今回、新聞の記事を読み始めて知りました。この病気をもっといろんな方に認知してほしいというご家族のお気持ちがとても伝わる記事でした。このブログを読んでくださっている方にも知っていただきたい、少しでもご家族のお力になれればという思いで書かせていただきます。
眼球使用困難症とは
「眼球使用困難症候群」とは眼球は正常な状態であるのに、まぶしさや痛みなどで見えない症状を言います。
日々の暮らしの様子
記事に掲載されていたある方の部屋の写真を見ると、窓にはカーテンを引き、窓との隙間は粘着テープで塞いで部屋を暗くしていました。外出の際には、周囲の明るさを1/100に抑制することができる特殊サングラスをかけ、白状を使っていると記載されていました。スマートフォンを見るときは画面を暗くし、身に付ける服も柄物から無地の服に買い替えたそうです。
その方は先天性心疾患を抱えており、10代前半で高次脳機能障害(けがや病気によって脳に障害を負い、知的な機能に障害が出て日常生活や社会生活に支障をきたす状態をいいます)を発症しながらも、通信制の学校を卒業し、将来の夢に向けて専門学校に入学したばかりだったそうです。
ある眼科の院長いわく、この病気は「視力はあるが、脳が処理するのに不具合が起きている。症状はまぶたの開閉が困難であったり、字が動いて見えたりとさまざまである」と書かれていました。完全に治すことはまだ確立されていないそうです。
眼球使用困難症に対する社会の活動
そのある方はご家族と共に地方自治体に障害認定を要求しましたが、視力障害の認定は視力と視野で判断されるため、脳が原因となる病気は「適用外」となり、却下されたそうです。そのため、歩行訓練などのリハビリもお金がかかってしまうということが現状であり、患者さんからの要請を受け、厚生労働省は本年度から実態調査に取り組んでいるそうです。
また、自治体が独自に障害と認定したという事例も出始めたとのことです。この病気は認められた医学用語になっておらず、提唱にとどまり、提唱した医師によると潜在的な患者も含めて、全国に30万~50万人いると推定されているそうです。医学も進歩してはいるのですが、正確な診断が困難、有効な治療のない病気がまだまだあります。少しでも多くの方が病気で苦しむことのない、住みよい世の中になることを願います。
最後に
当クリニックでは、お子さまの視力低下の回復や緑内障の早期発見・早期治療に努めておりますので、何か気になることがございましたら、お気軽にご来院ください。お待ちいたしております。
以上 千種区 本山の眼科 中村眼科クリニックでした