2023/07/04
皆さんは普段の生活の中でふとした時に以下のような現象が起こったことはございませんか。
☆実際にはいない虫や黒い点が飛んで見える
☆糸状の物が浮いて見える
☆微生物のような物が浮いて見える
☆墨汁が垂れているように見える
これらの症状は“飛蚊症”と言います。飛蚊症とは眼球の硝子体(透明なゲル状の物質)という部分が濁ることによって視界に影が見える現象です。
飛蚊症が起こる原因はさまざまです。どなたにでも起こり得ます。目を動かすとその物体も一緒についてくることもあります。①点眼などで経過観察場合をする場合や②手術が必要な重症につながる副反応の場合もございます。
眼精疲労やストレスなど“生理的飛蚊症”がほとんどです。飛蚊症を訴える多くの患者さまはこちらの症状です。硝子体の変化により飛蚊症の症状が伴います。
何かしらの病気が原因で飛蚊症があると考えられます。網膜剥離・裂孔や眼底出血などの症状であった場合はすぐに手術などの処置が必要になります。このような症状の場合は飛蚊症も広範囲になります。中には視野欠損のような運転や生活に支障が出る状態になることもございます。
まずは眼科へ一度、受診してみましょう。生理的飛蚊症の場合が多いですが、大きな病気が潜んでいる可能性もございます。私が日頃から皆さまにお声掛けしている『早期発見・早期治療』に繋げるためにもご相談いただくと良いかと思います。
飛蚊症は大きな病気の副反応として起こっていることもございます。
網膜(眼底にひろがる薄い膜状のもの)に亀裂が入ってしまう状態を「網膜裂孔」と言い、その網膜が眼底から剥がれてしまう状態を「網膜剥離」と言います。処置:状態にもよりますが、目にレーザーを当てる手術を行います。
原因はさまざまですが、何らかの原因で起こった網膜の血管の損傷や障害により出血が起こることを言います。高血圧や糖尿病の持病がある方が併発するケースもございます。処置:出血量にもよりますが、内服薬の服用やレーザー手術による凝固術を行います。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、失明率第1位にもなっている病気です。自分自身では進行に気づきにくく、自覚症状がある時にはすでに進行がかなり進んでいることがほとんどです。処置:毎日の点眼治療,定期的な精密検査の実施
先ほど記した処置方法のように緑内障についてはまだまだ未知のことが多く、即効性のある治療法も未だ見つかっておりません。それが故に患者様に今ご提供できる最善の治療法は“毎日の継続的な点眼”です。継続というのはなかなか根気のいることかもしれません。表現が少し大袈裟になりますが、患者様のその努力次第で自分自身の将来の世界の見え方を変えることができます。
いかがでしたでしょうか。飛蚊症と一括りに言ってもそのまま放っておくと今後の自分の視覚に関わってくる大きな病気である場合もございます。
少しでも違和感を感じたら、まずは眼科へ受診するようにしましょう。このブログを読んで一人でも多くの方に『自分の目を大事にしよう』というその意識の大切さを伝えられたら嬉しいなと思います。
梅雨の湿気に加えて気温も一段と暑くなり、晴れの日の日差しも夏らしい日光になってきたなと感じます。肌のケアも大切ですが、サングラスの装用など目への紫外線対策も心掛けていただくと良いかと思います。水分補給をしっかりして熱中症対策に努めましょう!
当クリニックでは緑内障の早期発見・早期治療の他にも、お子さまの視力低下の回復やアレルギー治療などにも努めております。目に関することで何か気になることがございましたらお気軽にご来院ください。お待ち致しております。
以上 千種区 本山の眼科 中村眼科クリニックでした
東京医科大学卒。名古屋大学環境医学研究所助手、犬山中央病院眼科医長を経て、中村眼科クリニックを開院。
目のことで心配なことがありましたらお気軽にご相談ください。
ご不安を和らげる笑顔と誠意をもってお応えします。